きのこ紅茶のつぶやき

のんびりと、本、勉強などのお話。

苦況の中で、「古典」の言葉を

お久しぶりです。

ブログは2、3ヶ月ぶりでしょうか…。

皆さま、日々どうお過ごしでしょうか。

 

 

私は、前々からこのブログで

日々の読書法について話そうと思っていました。

 

しかし

時間が経つにつれて、

様々な本を読むにつれて、

自分のこれまでの読書に迷いが生まれ、

それを考え直す日々が続き、

コロナウイルスの騒動が起こり…などと

心の落ち着かない状態にもありました。

 

  

そこで先日、

テレビをぼんやりと観ていた時のことでした。

ある言葉が、自分の中に入ってきたのです。

 

それは芸能人の美輪明宏さんが

視聴者から寄せられる質問に答えてゆく

お悩み相談といったものでした。

 

質問の内容としては、

日々の生活にロマンがない

ネガティヴなことばかり頭に浮かんでしまう

といった悩みです。

 

たしかに、

今は辛いことばかりが身の回りに溢れています

テレビを点けてもコロナ、

ラジオを聴いてもコロナ、

SNSを開いてもコロナ、

会話の中でもコロナウイルスコロナウイルス

毎日、気分の滅入る話題ばかり蔓延しています。

 

それはもう、

人々の「負」の感情を生み出す温床

ウイルスの拡大と共に

日々着々と広がってきているのでは…

とも思えてきます。

 

 

 

 自分の中へ入ってきた言葉。

それは

美輪さんが寄せられてきた悩みに対し、

ただ「感情」に振り回されている

と指摘する一言でした。

 

そして、

こんな時にこそ、

「古典」を読んだら良い。

動乱の時を乗り越えてきた

先人の言葉に触れ、

「感情」の暴走を抑え

心を落ち着なさい。

 

その言葉を聞いていて、

自分は今まで何のために

読書をしてきたのだろうか、

と改めて感じました。

 

このような不測の事態に

心を乱し、感情にただ流され、

日々漫然と過ごしてしまう。

毎日やってくる「負」のニュースに

ただ反応し、ただ不安な気持ちになってしまう。

 

そんな「負」の連鎖を断ち切り、

自分の心を不必要にかき乱さないためにも、

「古典」というものを読み、

ものを考え、自制心を養うということが

大切なのではないかと思いました。

 

 

 *

「古典」に触れる中で、

自分の印象に残った言葉を

繰り返し読んだり

また、その言葉を自分の中へ引き受けてみて

考え方を少し変えるだけでも、

肩の力は抜けていくかもしれません。

 

そこで今、

私は中国の古典である

洪自誠の菜根譚という本を読んでいます。

 

菜根譚 (講談社学術文庫)

菜根譚 (講談社学術文庫)

  • 発売日: 1986/06/05
  • メディア: 文庫

 

福は(もと)むべからず。

喜神(きしん)(やしな)いて、以って福を召くの(もと)()さんのみ。

(わざわい)()くべからず。

殺機(さっき)(のぞ)きて(わざわい)を遠ざくるの方と()さんのみ。

〔訳文〕

幸福はことさらに求めようとしても求め得られるものではない。

ただ楽しみ喜ぶ心を養い育てることが、

幸福を招き寄せる根本の条件になるだけである。

災禍は人の思うように避けようとしても避けられるものではない。

殺気立った心のはたらきを取り去ることが、

災禍を遠ざける唯一の方法となるだけである。

 

  

己の心の喜ぶことは、何か。

それは人によって違うと思いますが、

その喜びを大切にし、

身の回りの人へと

さらなる喜びを伝播させることができたなら。

「災禍」は少しでも遠ざかってゆく。

そう信じながら、

心の支えとなる「古典」の言葉と

日々の生活を共にするのも

悪くないなと感じています。